バイリンガルシンガー・ソングライター、ラジオDJとして東京を拠点として活動中のRISA KUMONさん。YouTubeで彼女の歌声を聞いたとき、澄み渡るように、どこまでものびる声が日本人離れしていて、海外出身のアーティストだと思ってしまった。
RISA KUMONさんは幼少期に失明し、イヤートレーニングのために習い始めたクラシックピアノが音楽にふれたきっかけだった。現在は視力を取り戻したものの、完治はしていないそうだ。しかし彼女の力強い歌声からはそのような過去は垣間見えない。どこからそんな力強い歌声がうまれるのか─────ライブ直後にインタビューを行った。

RISA KUMONさんインタビュー

RISAさんは、長崎県佐世保市の出身、アメリカや沖縄での活動を経て、2013年頃から福岡に来られたんですよね。

──────そうですね、沖縄のウエディングチャペルや米軍基地フェス等で歌わせていただいていたのですが、プロデューサーRORO(ろろ)と一緒に福岡に拠点を移しました。その後、LoveFMでラジオ番組や音楽活動を経てInterFM897で番組を始めたのをきっかけに東京を拠点に活動中です。福岡には中洲JAZZの時期に九州ツアーをしたりして戻ってきています。

全国でライブをされると思うんですが、福岡のファンはどんな感じですか？

──────場所によって全然色がちがうかな。福岡の方はあたたかいなって、心に余裕がある印象ですね。あと親切でフレンドリー！今日も私のことはまだ知らない方も多かったと思うんですが、途中で応援してくれたり本当に嬉しかったです。今日は特にノリがよくて。

たしかに！途中からROROさんが入られて、ジャズとはまた違った、HIPHOP調で会場を盛り上げてましたよね。コール＆レスポンスが新しい雰囲気で楽しかったです！

──────そうなんです、ジャンルにこだわらずに伝わる音楽を歌っていきたいなと思って。
以前、スピリチュアルな人に「あなたは波動がでてるね」といい言葉をもらったことがあって。それから、波動拳を極めていこうと思ってます(笑)たとえば、音楽や映画からインスピレーション与えられる時ってあるじゃないですか。

それを波動拳として伝えていこうと…(笑)どんな風に伝えようとされているんですか？

──────みなさんにどうしたら伝わりやすいかなって思いながら歌ってます。英語だけの歌詞だと歌う前にこういう曲です、って説明してから歌うと聴いてる人も気持ちが入るし、こういう曲なんだって思いながら聴けるから。伝えてキャッチしてほしいっていうのを目標にやっています。だからレスポンスがあると嬉しいです！

今日、ライブを聴いていて感じたのがハーモニーというか音の渦みたいな、会場にそんな空気ができててとってもよかった。あれは波動だったんですね。

──────かもしれないです(笑)自分が一番楽しい時がみんなも楽しいんだろうなって思うからまず自分が楽しむってことを大事にしています。今日は皆さんからもとても楽しさが伝わってきたので、私も本当に楽しかったです。気持ちが入った曲を歌おうとしたときにちゃんと歌い切らないとっていう想いと一緒に、自分の心が揺れてしまって。

亡くなったお姉さんのために選曲された「いとしのエリー」ですね。会場でも涙ぐんでる方もいらっしゃいましたね。

──────それが伝わっただけで嬉しいです。会場からも応援してくださる声が励みになりました。

普段、曲作りはどんなところでインスピレーションを？

──────様々なんですけどね、身の回りの事とか、友達に子供が生まれたとか先輩方の音楽とか。
例えば、ドキュメンタリーや伝記映画ってすごく心に伝わってくるものがあったり、「自分が生きた証をどう残すか」みたいなストーリーも好きで、そこから受け取ったり。踏ん張らないといけない時や落ち込んだ時に好きなアーティストの音楽を聴いて、元気を貰って、その時に生まれたインスピレーションやムードを言葉にしたり、曲に書いたり…だから身近な所、生きてる中で出会う出来事とかですかね。

日常の中からインスピレーションをキャッチしてるんですね。

──────そうそう、あと外で子供たちが遊んでる時に面白いリズムで歌ってたり、変わった掛け声とかからアイディアが生まれたり、ドライブしてる時にROROとフリースタイルして生まれた曲もあります。

瞬間を大事にされてるんですね。もともとジャズに出会ったきっかけは？

──────両親がクラシックピアノを習わせてくれて、ピアノの上に置いてあったミニチュアピアノのオルゴールがJAZZスタンダードの「Fly me to the moon」で、練習している合間によく好きで聞いていたんです。それがJAZZとの初めての出会いかな。高校では声楽オペラを歌っていてましたが、ローリンヒルが出演している映画「天使にラブソングを2」に衝撃をうけて、そこからアーバンミュージックと出逢い、ゾクゾクしたのを覚えています。それからHIPHOP、R＆B、ソウル、ゴスペル、ジャズとレコードやCDを集めて色々聴きましたね。もちろん日本の音楽、民謡も好きで今日も歌おうと思ったけど変えました。

雰囲気とかで選曲は変えたり？

──────そうですね、その時のムードや、お客さん層、トークの流れで変更することがあります。

いつもはどちらでライブをされるんですか？

──────今は東京を中心に、地元の長崎や福岡の久留米、熊本など、年末はグアムにも進出します。

RISAさんはどんな時が幸せですか？

──────自分が生きたい道を行けたとき、思った事が達成出来た時が嬉しいし、色んな人をハッピーにさせられる事が嬉しいです。自分も小さい頃、沢山の人に助けてもらったので。

目が見えないことで苦労されたのでは？

──────子供の頃、母から「なんでも初めは挑戦してみなさい」と教育されていたので、遠足や運動会、体育の時間はいつも嫌だったけど全てトライしました。ケガしたり、洋服も汚して帰ってきたりしたのを覚えています(笑) 福岡のフラワーデザイン専門学校に行って生活した時に、自分ひとりでも生活できるなって自信がついて。そこでやっぱり音楽したいって思ったので留学するために全部自分で調べて段取りして海外へ更なる自分への挑戦に出ました。
3年ちょっとだったけど、LAでいろんな経験させてもらって色んなジャンル・国籍の人と音楽を奏で、刺激も沢山もらって学ばせてもらいました。それを今どうやって成果をだそうかって模索してます。ライブでもこうしたかったんだ、とか毎回勉強だと思いながら楽しんでいます。

なるほど。自分の手で切り開いてこられたんですね。声に芯があるというか。いつも一本芯を通して歩んでこられたんだなって感じました。

──────山あり谷あり、毎日サバイバルしながら、そんな毎日です。笑

最後にファンへメッセージをお願いします。

──────みんな、好きな事とか、心に描く夢、やってみたい事ってあると思うんです。でも日常の生活でつい忘れがち。だから時々、音楽や気晴らし、自然、スポーツ、家族や友人、映画、旅行などに触れてみてほしいんです。何かをきっかけに感情が震えた時、人はインスピレーションを感じる。そんなきっかけ作りをしてみて欲しい。何かを感じ取った時に、自分自身に気づくことってありませんか？「ああ、ここいきたかった、これやりたかった、こんな仕事したかった」など。そんなことを時々思い出して見てください。心にしまっておくのではなく、心の扉を時々開けてみてほしい。その何かがあなたの人生を大きく変えるかもしれないから。私も留学を切っ掛けに気づかされたんです。私が海外で暮らしてみて出会った人たちは本当にしたいことをやっていて。笑顔が本当に楽しそうだった。そういうメッセージを私は音楽で伝えたいなって思って始めたのがカバービデオシリーズなんです。インスピレーションが欲しいな、と思った時に見てくれたら嬉しいです。

カバービデオはYouTubeで要チェックですね！今日は素敵なお話をありがとうございました！

RISAさんは、スローなバラードを歌うときに、「自分は何になりたいんだろう、って日々忘れてしまっているようなことを思い出してみて」と伝えるそう。中洲JAZZで、故人に向けて歌った「いとしのエリー」。自分も昨年亡くした友人を不意に思い出してシンクロしてしまったが、みんな、誰かを亡くした記憶があるから共鳴するのだろう。日々の生活の中で、遠くなってしまったいろんな想いを思い起させる。彼女の声は、新しい扉まで導いてくれるガイド役のような。その先の扉を開けて一歩踏み出すかどうかは私たち次第だ。私の歌がなにかきっかけになれたら嬉しいと語るRISAさん。今日も彼女は伝え歌い続けるのだろう。より深くインスピレーションを感じられるように音響にもこだわり、立体的な演出ができるサラウンド音響を用いた楽曲も制作中だという。今後のRISA KUMONさんの活動にも大いに注目していきたい。

〈 RISAKUMONプロフィール 〉
幼少の頃に失明し、視力を取り戻した今も視覚障害をもつが、透き通るような「声」と力強いメッセージで魅力を与えるインスピレーション力のあるシンガー。
2012年よりUSプロデューサーのROROと活動をはじめ、様々な楽曲をリリース。今後の更なる活躍が期待される。
●RISA KUMONオフィシャルWEBSITE
http://risakumon.com/

●YouTube(カバービデオ続々更新中)
https://www.youtube.com/singerrisa